主なポイント
ETHデリバティブ指標は、最近のDeFi悪用事例にもかかわらず、プロのトレーダーが安定を保っており、弱気に転じていないことを示している。
イーサリアムの53%というTVL(預かり資産)市場シェアと機関投資家によるETF需要が、引き続き2,200ドル付近の下支えとなっている。
イーサ価格の上昇は足踏みも、ETH先物は弱気から程遠い状況
イーサ(ETH)価格は日曜日に2,380ドル付近でピークに達した後、強気の勢いを維持できなかった。過去4週間、2,400ドルの大台突破に繰り返し失敗したことで投資家心理が徐々に悪化しており、デリバティブやオンチェーンの指標がさらなる上昇を支持しているにもかかわらず、プロのETHトレーダーが撤退を始めている可能性が示唆されている。

ETH perpetual futures annualized funding rate. Source: Laevitas
火曜日のETH無期限先物の年率換算ファンディングレート(資金調達率)は5%で、中立とされる6%〜12%の範囲をわずかに下回った。熱狂的とは言えないまでも、先週見られた弱気派優勢のマイナス圏からは脱している。

ETH options put-to-call ratio at Deribit, USD. Source: Laevitas
Deribit(デリビット)では5月4日以降、ETHオプションのプット(売り)ボリュームがコール(買い)ボリュームを下回り続けている。中立から弱気の戦略への需要は3週間にわたって減少しており、ETHのクジラ(大口投資家)やマーケットメイカーは、まだ弱気に転向してはいない。
それでもETH先物に強気さが欠けているのは、原油価格の高騰やインフレ懸念といった外部要因で説明できるだろう。エネルギーコストの上昇により、4月の米消費者物価指数(CPI)は3.8%へと急騰し、3年以上ぶりの高水準を記録した。米労働統計局の報告書には労働者にとっての悪いニュースも含まれており、実質平均時給は前月から0.5%減少している。
DeFiハッキングとイーサリアム財団の売却が投資家心理の重石に
悪化するマクロ経済状況に加え、イーサリアムのエコシステムは分散型金融(DeFi)プロトコルの相次ぐハッキングという内部的な問題にも直面している。Kelp DAOのrsETHブリッジがLayerZeroのメッセージ偽装を通じて悪用され、市場リーダーのAaveを含む複数のレンディングプロトコルから偽の担保を用いて2億9,000万ドル以上が流出した。
直近では、EkuboプロトコルがEVM v2のスワップ脆弱性を通じて140万ドルを失い、TrustedVolumesはプロトコルのロジック上の欠陥により670万ドルの損失を出した。これらの事件はプロトコル固有のバグやアクセス制御のエラーに起因するものであり、イーサリアム自体やEVMのセキュリティ、あるいはレイヤー2ブリッジの設計上の欠陥ではない。
また、イーサリアム財団による最近のETH売却と、それに続く5,000万ドルのステーキング解除も投資家の不安を煽っている。さらに、イーサリアムのICO参加者が1万ETHを新しいウォレットに移動させたことで、センチメントは再び打撃を受けた。これらの動きの背後にある理由が何であれ、ETHが史上最高値から54%下落した水準で取引される中、恐怖と不確実性は高まったままである。

Blockchain Total Value Locked market share. Source: DefiLlama
イーサの強みは、イーサリアムが持つ53%のTVL市場シェアと、レイヤー2エコシステムを含めた分散型アプリ(DApp)活動における圧倒的なリードにある。機関投資家への訴求力においてイーサリアムに匹敵する競合はなく、それはイーサリアム現物ETFの運用資産残高が116億ドルに達していることからも明らかだ。
結論として、ETH先物における強気なレバレッジ需要の欠如は、プロのトレーダーの関心が薄れていると見なすべきではない。したがって、2,600ドル、さらにはそれ以上の高値を目指す道筋は依然として開かれている。
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